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ナスは栄養診断による管理で収量が倍増


 漬けて良し煮て良し、焼いたり揚げ物、生食にと、ナスは大変使い向きの広い野菜。干しナス、焼きナスにすれば長く保存ができることも分かり、いっそう魅力を高めてきました。高温好みなので、強い日差しを受けると紫黒で形の良い果実が連続して収穫でき、大いに食卓をにぎわせますが、次第に株の勢いが弱まり、実止まり悪く、取れなくなり、品質も低下してきます。
 これはいわゆる「なり疲れ」で生育が不調になってきたからです。
 私たちが、お互いに人の顔色やしぐさを見れば健康状態を推測できるように、ナスの健康状態も、葉色や草姿、花などをよく観察すれば容易に栄養状態を診断することができるのです。
 その一番のバロメーターは、図のように花の付く位置と花の形、葉や花の大きさと色具合です。特に花の中を見て、雌しべが雄しべより短い「短花柱花」は、ほとんど落ちてしまい実止まりしません。健全な場合は、花の開いた先に4〜5枚の葉が開いていますが、栄養不良株では1〜2枚しかない状態になります。畑全面を見渡して花がよく見える状態は、栄養不良といってもよいのです。

 対策としては、まず果実を若取りして株の果実負担を軽くしてやることです。そして追肥で栄養を補給し堅くなった通路付近の、根が伸びる先の方にくわを入れ、軽く耕し通気を図り、乾いていたら灌水(かんすい)や敷きわらをして、吸肥をしやすくしてやることです。
 こうすると数日を経ずして草勢に回復の兆しが表れ、健全な「長花柱花」が多く咲くようになり、茎葉もしっかりして、上方の葉の枚数も増え、よく実止まり、果実の太りも早まり、色つやの良い果実がたくさん取れるようになってきます。
 「なり疲れ」は、ナスの一生の中に3〜5回現れることが分かっているので、常に観察を怠らず、早めに発見、対処して軽減するようにしてください。収量の倍増、品質の向上は必ず達成できます。

 もう一つ、生育盛りに入り茎葉が込み過ぎると、日射不足のため果実の色づきが悪くなり、病害虫も発生しやすくなります。その対策として、果実に木漏れ日が当たるぐらいに、余分な葉を摘み取ったり、枝を整理することも大切な手立てとなります。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

板木技術士事務所●板木利隆
情報提供:JA新聞連

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